そんなアタシの様子に違和感を感じたのか
ジンは料理の手を止め
難しい顔をしながらこちらに近付いてきて
かと思えば…


「顔色が悪い。
 もしかして熱があるんじゃねぇか?」


心配そうに言いながら
ヒンヤリと冷たい掌が額に触れた。

さっきまで水を使っていたんだと思う。
心地よい冷たさと
久しぶりの、この感覚…


「少し熱いな…。
 目も赤いし今日はもう休め」


さっきまで泣いていたんだから
目も赤くなるし顔も熱くなるって。

…とも、言えず。


「平気。
 具合も悪くないから大丈夫」


泉海さんからイヤな告白を聞いたおかげで
気分が最悪なだけ。

…なんて、尚更言えない。


「飯、もう出来るけど食えそうか?」

「…うん」


本当は食欲もあまりないけれど
そんな事を言えば
きっとまた凄く心配するから。

アタシはアタシで
あの人とジンの方がよっぽど心配…。


席に座り
食事の準備をしている後ろ姿を見つめながら
嘆息してしまった。


「元気ねぇな…マジで大丈夫か?
 調子悪いなら無理するなよ?」


料理を運びながら
ずっと心配そうなジン。