要するに。

『メンタル病んでいたから
 好きだった男が自分の部屋に来て
 慰めてもらっていたけどヤッてない』と?


要約の仕方が下品で悪いけど
早い話がそういう事でしょ?
誰が信じろと?


『恋人に黙っているのは良くないから
 ちゃんと正直に言うから怒らないで』
って前置きまでして。


ジンがこの人の部屋から出てきたのは
アタシの見間違いじゃなかったワケだ。


そこまで聞かされて
本当は『男女が1つの部屋で何もないワケないでしょ』と
物申したいのに。


「相談で…部屋に行く必要があったんですか…」


情けないくらい今のアタシはショックが大きくて
物申すどころか弱弱しい声しか出ない。


「ジンくんは何も悪くないんだよ?
 優しい人だから断れなかったんだと思うの…
 だから彼を責めないであげて?」


どうしてこの人が
ジンのフォローをしているんだろうか。

そして
どうしてアタシはこの人に
そんな事を言われないといけないんだろうか。


「ジンくんは七星さんをーーー」

「言わないでください」


彼女の言葉を遮ってしまった。