続・隣人はクールな同期でした。

冷静に考えると
自ずとこちらの態度も変わる。


「悪いけどキミにそうやって近付かれると
 まわりから誤解されるかもしれないし
 イロイロと迷惑なの。
 本当もう、アタシに関わらないで。」

「副編集長から誤解されたら困りますもんね?」

「そういう事を言ってんじゃなくてッ」


イラっとして声を張ってしまった。

間髪入れずに核心を突かれ
強気に出たはずが逆に踊らされてしまうとは…。


このコに何を言っても
たぶん響かない。
それどころか余計に遊ばれるだけ。
墓穴掘って自爆するより黙っていた方が絶対いい。


「はぁ…
 もういいや」


発した呟きは彼と自分自身に向けてだ。

今日の平和なお昼休みは諦め
食べようと開いたお弁当に蓋をし鞄に戻した。


「アレ?食べないんですか?
 もったいない。
 それなら俺がもらいますよ?」


空気も読まなければ遠慮もない。
お弁当を狙っているのか
人の“モノ”を狙っているのか
物欲しそうに見つめる視線に腹が立つ。


こんなのにいちいちノッてたらキリがないし
イライラしちゃって身が保たない。