続・隣人はクールな同期でした。

「危害を加えるような危ないマネはしませんよ?
 俺は2人が別れるのが望みであって
 “傷”を付けたいんじゃないんですから。
 あ、そんな事しなくても傷は残るか。
 俺はセツナさんが好きですからね。
 血を流すところなんて見たくないですよ」


表情変えず笑顔のままの風見くん。

『そんな事しなくても傷は残るか』って
どういう意味ですか。
全然冗談で済む内容なんかじゃないよね。

そんなおぞましい仮定を聞かされて
こっちは更に恐怖が増すばかりだ。


このコはたぶん
本当に体を傷めつけるつもりはないのかもしれない。
けれど“亀裂”という
心身に与える傷は躊躇しない。

確信もなければ“絶対”と言える材料なんてないけれど
だからこそ怖い。


「どうして…アタシなの?
 キミとはこの前初めて会っただけで
 まだよくも知らないはず…」

「そうですけど
 セツナさんは俺のタイプです。
 それに…
 なんかいいじゃないですかぁ、“人のモノ”って。
 それだけで魅力ありますし
 欲しくなるじゃないですか」



嘲笑うようなその眼。