「あ゛ー!腹立つッ!!」


不機嫌MAXにマンションに帰宅。

イライラしながらネクタイを緩め
ワイシャツの袖部分のボタンを外すと
適当に腕まくりをしながら
ソファにドサッと腰掛けた。


「急にビックリした…」


夕飯作りをしていた途中に
勢いよく開けられたドアとジンの声で
ビクッと体が震えるアタシに。


「悪い、大声出してッ
 大丈夫か?」


心臓を気にしてか
焦ったようにクールダウン。


「平気だけど…
 なんか荒れてるじゃん。
 どうかしたの?」

「どうもこうもねぇよ。
 編集部のヤツらココ最近
 俺を見るたび何を言うワケでもなくニヤニヤしてくるし
 女性職員達は妙に距離感近いっていうのか
 無駄に話し掛けてきやがる」

「…ふーん」


女子職員達が距離感近くて
話し掛けてくる…ねぇ。


確かに最近のジンは
アタシから見ても雰囲気が柔らかくなったと思う。
物言いはあいかわらずだけど
トゲトゲした感じもなくなったし。


だからたぶん
今まで近寄りがたく感じてた女性社員達が
積極的になったのかも。