【病院に寄ってから仕事に行く】
今朝そのLINEが来ていた。

病院が長引いたとしても
だいたい普段なら昼過ぎには出勤していたはず。

もし何かあったとしても
個人的に電話かLINEが来る。
それなのに会社に外線で掛かってくるって事は
マズイ状況に違いない。


まさか体に何かッ!?


「セツナ!?
 どうかしたのかッ!?
 まさか何かあったのか!?」


興奮気味に声を張ってしまい
近くにいた風見も驚いた顔をしている。

俺の切羽詰まった言葉に
何かあったのを察したらしく
聞き耳を立てて電話の内容に興味を示してきた。


『お前には関係ない事だ。
 去れ、散れ』と言いたいとこだが
今はそれどころじゃねぇ。


セツナから何度も
『落ち着いて話を聞け』って言われたが
”交番”の危険ワードが出てくるから
こっちは気持ちばかりが逸り
受話器を握る手に力が入る。


会社に連絡したって事は
携帯を…盗まれた?
それで交番から連絡してきているのか?


『待って…
 1から説明する』


話を切り出そうとする奥で
聞こえた警察官の言葉に
俺は愕然とした。