「キャッチしちゃった……」 ゲストの視線が一斉に集まり、パラパラと祝福の拍手をされる。 これは夏の暑さのせいなのか、注目されて緊張しているのか、顔が一気に赤くなった気がした。 「次は茉莉乃だな」 新郎の健永はニヤニヤ笑いながらそう言った。 もう、そういう相手がいないって分かってるくせに。 私はキッと健永を睨みながらブーケを持って多美の元へと戻った。