なんとか赤井先輩の力になることは出来ないのだろうか。


寮生を思い浮かべてみる。


2年は青波先輩と八代先輩。


青波先輩は水泳部としては夏しか活動しないけれど、秋は山岳、冬はスキー、スノボをやる"シーズン部"という運動部に入っているから忙しい。


八代先輩は勉強とあらゆるオタ活。


1年のしゅうくんはバスケ部だからダメだし、凜くんは応援って感じじゃない。


ということは...。


いやいやでも黒羽くんはそういの嫌いそうだし...。



「おい、さあやどこ行ってたんだよ?」


「うわっ!」



さ、さ、さ、最悪...。


あの日以来の上半身。


今回は至近距離で見てしまった。


ていうか、上着てよ!



「黒ちゃん何やってんのぉ。さあやん顔真っ赤っかだよぉ」


「狙い通りだ。なんならこのまま...」


「やめて!変態!ど変態!」


「はあ?!お前おれのこと変態呼ばわりしやがって!!許せねえぞ!」


「ちょっとぉ、黒ちゃん!」



凜くんが黒羽くんの腕に噛みつく。



「いっ、た!凜!お前何しやがる?!」


「必殺、りんりん噛みつきぃ!」


「お前っ!」


「そこまでにしろ」



お子様2人の前に紫Tシャツに短パン姿の爽やか王子しゅうくんが登場。


助かったぁ。



「今何時だと思ってるんだ?」


「一大事ぃ~」


「そ、そうだ。一大事だ。コイツがおれの腕に...」


「ふざけてる場合か。さーやちゃん、ごめんね。この2人にはオレが注意しておくからさーやちゃんは部屋に戻って」


「うん」



あぁ、本当にしゅうくんは優しい。



「おい、待て!」


「さあやんの独占権はないっ!」



独占権...。


ない...。


この3人...。


...あ。



「あのさ、3人にお願いしたいことがあるんだけど...」



これはなかなかの名案じゃないかな。


1年生達が赤井先輩のために全力で頑張らせてもらいますっ!


って、まだ了承得てないんだけどね...。




続く...