病室の窓から 雲を見ていると


ふわふわの 雲に
触りたくなる


真っ白で 綿菓子みたいに


ほんのり 味がするような…


そんな 想像を 立てては


ひとり 空を 眺める


いつの間にか
ひとりで 居ることが当たり前に なって…

父と 呼べる人も
母と 呼ぶ人も


私には 居ないのだ


気づいたら ベッドの上に居て


見知らぬ人の 顔が


私を 見つめていた…

「私の 名前は…?」


すると ある女性が
答えた。


「あなたの 名前は
愛未って 言うのよ」


あたしの 名前は…


あ…み?


自分の 名前すら
違和感が あった。


何故だか わからない

ただ ひとつ
言えることは…


私は…


このベッドの 上で
生まれたのだ…


記憶を 辿っても
覚えが ないのだから

無意味にしか ならない。


私は…
ここで 生まれた


迷える 子うさぎ…