そして、編入してすぐ無事新しいお友達もできた。



「おはよう、百合ちゃん」

「おはよう、湖宵ちゃん」



白波瀬(しらはせ) 百合(ゆり)ちゃん。
同じ高校に通っているということは勿論お嬢様で、世間一般の高校生がする放課後の寄り道や買い食いは経験がなくて憧れているらしい。


そんな簡単な経験はしたことがないのに、オーロラを見たいがために自家用ジェット機でフィンランドまで飛んだり、限定ブランドバッグのためにフランスに飛んだりすることはあるらしい。アクティブなのかそうじゃないのかよく分からない。


感覚はかなり私とはかけ離れている。(というかここでは、私だけが庶民感覚。)
でも、笑顔が可愛らしく、立ち振る舞いも他の生徒の一線を画した品があり、何よりも私に初めて話しかけてくれた。


友達ができるか不安だった私に、真っ先に声を掛けてくれたおかげで、他のクラスの人とも馴染むことができている。