「システムを通常モードにまで下げて拘束処理しろ」

「了解。システムレベル1へ移行。ホールドシーケンススタート」


　隣に控えていた白衣の男は目の前においてある機材に手をかけ作業を始める。

　それと同時に恭介が呻きながら膝を折り倒れた。


「恭介！」

「あっ…くぅ…ミチル、逃げろ…」


　体をくの字に曲げて恭介が呻きアタシに逃げるように促す。


「恭介ほって逃げれるわけないでしょ！」


　アタシはうずくまる恭介を抱きかかえ引きずるがそれより先に倒された男達が立ち上がる。

　そして奥に控えていた氷川と呼ばれた男がアタシ達を捕らえるように指示を出した。

　アタシは苦しそうにうずくまる恭介を守るように立ち上がり身構える。

　しかし結局は数に負けて押し切られた。



　ずしりとお腹に衝撃が走る。
　あまりの痛みに意識が遠のく。



　守らなきゃ、
　恭介を、守らなきゃ…


　暗転する意識の中でその言葉だけを繰り返しアタシは意識を手放した。