リハーサルは、初めての体験であるにもかかわらず一理にとっては、感動し、かつ有意義な一日となった。


リョウは、やはりスタッフの誰よりも早く会場に来ていた。



一理が着いて会場に入って行くと、控え室からリョウが出て来た。



「お早うございます!…もうっ来ておられたのですか?私が一番早いと思って来たんですが。」



「俺ね、リハーサルは、ホントに大切に考えてるから、朝目が覚めると、こうやって出て来てしまうんだ。頭で考えてたことを少しでも早く形にしておかないとって、気がすまないんだよね!それに今回追加公演だから、いつもより力入ってる。」



「あっ!リョウさん、コーヒーでも…」



「…君っ……ああっ、いやっ、何でもない。そうだね、ブラックをたのめるかな?」



「分かりました。」