一理は無心で弾いた。


中学二年の時二度目となった曲名「トルコ行進曲」
小学校の発表会の際に一か所を間違えたことが忘れられなくて、もう一度挑戦した曲…



その時の思いが未だに甦ってきた。


曲が終わった時に初めて一理は我に返った。



「あっ!余計なことしてしまいました。すみません!」


頭を下げ、慌ててステージを掛け降りた。



スタッフが全員口を開けたままの状態であった。



真面に結城の顔が見れずに結城の前に立った。



また、何か注意をされるのかと思い俯いていた。