縁の下の恋



2人が通された部屋は、まるでホテルの一室かと思う程の部屋であった。


料理を運んでくる人達は、1人ではなく、到底一般家庭では、作れないものばかりで、天井のシャンデリアも素晴らしく、2人とも、いつもの会話が出来ずに居た。


小声で渡辺が呟いた。


「いちりって…めちゃめちゃ!お嬢様?」


「この場を見てたら、間違ないでしょ?…まったくぅ、何で今の今まで内緒にしてたんだか!」


「まったくだよなぁ!まぁ…俺、ちよっとは、そうなのかなぁって、思ってたりして!」


「ええっ!ホントにぃ?」



そこへ優しそうに微笑みながら、先程の老夫婦が近付いて来た。



「お二人共、ホントに一理が、お世話になりっぱなしだったそうで…料理お口に合いますか?どうか今日は、ゆっくりしていってやってください。遠慮なさらずに。」