縁の下の恋



渡辺と美優は、入口の門の前で、早くも、言葉を無くしてしまった。



「これが………いちりの…家?……ってか、いちり…お前………」


美優と目があった。


「一理……あたしん家来てくれて、きっとあまりの狭さに…こんな大きな家に住んでたなんて…」



一理は2人の背中を黙って門の中へ押し出した。



すると、家の中から、四人の老夫婦が、駆け寄って来た。



「一理!!お帰り……!!はいはいっ、話しは、中でさぁさぁ!お客様も、どうぞー…よく一理の為に来て頂いて、ゆっくりしてらしてね?」


「お祖母さま…長いことご心配お掛けしてすみませんでした!ただいま戻りました。」



「さぁさぁ!ばぁさん、積もる話しは、中で…どうぞー。」


その様子を見ていた渡辺と美優は、一気に緊張することになった。