医師の予想に反し一理は驚異な回復をみせた。
頭の方も何ら後遺症も無く、肘の骨も、完全に元に戻り、腹筋を軽々と出来るまでになっていた。
結城や渡辺も毎日とまではいかないまでも、よくよく見舞いに来てくれた。
渡辺に至っては、一日に二度来る時もあり、うんざりするも、無下にもできず、一理はなるべく美優に連絡を入れて、美優に相手をしてもらうよう、お願いしていた。
以前から、美優からは個人的に渡辺と会わせて欲しいと頼まれていた。
一理にとっては最も苦手なことであった。
そんなこんなで…
待ちに待った退院の日が来た…

