深雪が涙ぐむ姿を一理は初めて見た。 いつも気が強く何事にも、負けたことが無いのではないか?と子供心に感じていた。 思うに…子供の頃から両親には自分の思う通りにさせて貰った。 強く叱られた記憶は無い。 仕事を自分で決めてきた時も、 「あらっっ!そう言うお仕事もあるのねぇ!」 とか言って、反対はしなかった。 しかし、どれほど心配は、していたのだろう。と今回こんな怪我をしたことで思いっ切り知らされた。 冷静に考えてみるいい機会なのかもしれないと一理も思わない訳でも無かった。