渡辺の目からはひとりでに涙があふれていた。 1人の看護士が担当医師を呼んで来た。 廊下に出ているように言われ渡辺は病室を出た。 トボトボと廊下を歩いて待合室の前で立ち止まった。 そこでリョウと目が会った。 「リョウさん…帰ったんじゃ…いちりが、目を開けたんですよ!」 「………!!」 言葉が出ないリョウであった。