~リョウ~
あの女(ひと)の頭の中には…やっぱり仕事の事しか、無いのだろうな。
ホントに真面目なんだよな!何事に於いても、きっと…
リハーサルにも、身が入らず、視線がどうしても彼女の方へ行ってしまう。
今日の彼女は、まるで配線工事のおじさんみたいに本格的な仕事をしている。
どうして……あんな事嫌がらずに出来るんだ?
何気に視線を下の方へずらしていくと、
そこには、由衣が居た。
何であんな所に由衣が居るのか、不思議に思った。
リョウの視線が一瞬釘付けになってしまった。
一瞬の出来事であった。
「ガッシャ~ン…キャーー…ドーン!」
映画のワンシーンを見てるのか、と一瞬…何が起こったのかリョウは、体が動かなかった。

