コンサートも無事終わり渡辺と2人でホテルへ帰ろうと会場を出ようとした所へ、リョウが何処からともなく、駆け寄って来た。



「やぁ!2人共今日は大変だったね!お疲れ!…」


「リョウさんっ!(回りを見渡し人の目を気にしながら)こんな所…誰かに見られたらどうするんですか!ダメですよ!」



「隠れてるの、大変だったよ!(笑)僕に付き合って…」



(リョウ!!!何処に居るのぅ!探したのよ!)


由衣が慌てて駆け寄って来た。



「じゃあ!俺たち失礼しますんで!そう言うことなら、俺たちは、邪魔ですよね?一理っ、行こう!…」



「そうよっ!ねっ?リョウ、今日は、父と伯父さまも一緒なのよ!一緒に行くわよね?リョウ?」



「由衣っ!だから、さっきその件は断ったはずでしょ!僕は、あの二人と一緒に…」



振り返ると二人の姿が既にみえなくなっていた。