数日後一理のケータイに連絡が入った。
リョウさんのコンサートに渡辺と行くことになった旨知らせだった。
「一理っ!リョウさんのコンサートだな!良かったじゃないか!……今日久し振りの休み、どうしてんだ?家か?」
「九州公演に…私なんかが行ってもよかったんですか?」
「いやぁ!結城さんに聞いたとこによると、スタッフに欠員が出来たらしいから、お前頑張り屋だから、声掛かったんじゃないかな!それより、今何してんだ?ちょっと外に出て来いよ!」
「いえっ、今ちよっとトレーニングしてるとこなんで…じゃあ出発は明後日ということですね?」
「ああっ、まぁっそんなとこかな!時間遅れるなよ!じゃあな!」
(ちっ!色気もなんもあったもんじゃない奴…しかし、あいつの頭ん中かち割って見てみたいわ!まったく)
渡辺は一理にどう言えば自分を一人の男として見てもらえるのかずっと悩みの種であった。

