縁の下の恋



照明の勉強になるからと、若い人気グループのコンサートを結城が一理が行けるように仕向けてくれた。



渡辺を指導係として一緒につけてもらった。



と…仕事が終わり渡辺と一緒に帰ろうとしていた、その時…


2人の後ろの方から、ほのかに香水の香りが近付いて来たのが一理にも分かった。



この香りは、以前にも、嗅いだことがある…と…



「あらっ!貴女…いつぞやの…リョウのコンサートで会ったスタッフの人?今日は、此所だったの?大変ね、決まった所ばかりじゃないから、相変わらず汚いスタイルね?何っ、スタッフさん同士で一緒にお帰り?お似合いね?」



「何なんすか?一理!この人は誰?」



「あらっ!わたくしのことかしら?貴方達の上司のまだその上の…まぁ貴方達に言っても分からないでしょうから…(一理を横目で睨みつけながら)貴女にはお似合いな仕事と…連れ合いね!今後一切…リョウとは会わないことね…まぁ会う事も無いわよね!失礼…」


ヒールの音が嫌に耳に付いた。



香水の香りまでが吐き気を催した。