リョウの人柄が良く判る話しが聞けたことが一理の心の中に深く強く残った。
ホテルまで送ってもらい時間が以外と経っていたことに部屋に戻って初めて気付いた一理であった。
一人になり、リョウとの会話の一字一句を思い出していた。
一理は、大学一年に初めてリョウのコンサートを見たあの日の自分の気持ちを…思い返した。
あれ程自然に人に振る舞えるリョウを羨ましくも思えた。
自分がとても卑屈に思えた。
仕事が一日だけ空く日が来週にある。その日に久し振りに両親に会って来ようと思った。
そんな気持ちにさせてくれるのも、リョウと話すことができたせいだと思った。

