縁の下の恋



「ああっ、ピアノは、親の友達でピアノの先生がいらして、それでまぁっ、何となく大人になるまでずっとその先生に付いて教わりましたから、先生のお陰で上手くなっただけです。ああっ、私の話しは、この位にしてください!」


「リョウさん!こいつの身なりも見てやってくださいよ!おしゃれも何もあったもんじゃ無い。いっつもTシャツとジーンズで、照明の奴等の回りうろついて、ホントに男に生まれりゃ良かったんじゃないかって、思うくらいなんですよ!まぁこの仕事する上では良いんでしょうけど。」


「結城さん!僕のコンサートあと九州で3公演あるんですけど、その時とかは…」



「あーーん!九州は、……会社へ戻ってみないと、はっきりは分からないです!……俺は行くんですけど、…えっ?一理ですか?一理は、他のコンサートに入れる予定にしていた……(リョウと一理の2人の顔を交互に見ながら)ええっ、明後日のスタッフ会議で、そのぅ、もう一度洗い替えしときますんで、はいっ、分かりましたよ!」



「いえっ、私は、そのっ、別にどちらでも、……」



「結城さんっ、貴方も全然判りやすい人ですよ(笑う)今日は無理言って僕に付き合ってもらってホントに楽しかったです。また九州公演の時も美味しい所知ってますから一緒に飲むに行きましょう!ああっ、一理さんもね?」