「学校帰りに襲われたんです。知らない男の人に」
「知らない人に?」
「後ろから急に抱きつかれて、『ミオリちゃんだよね?』って。それで、それで…」
意味がわからなくて、めちゃくちゃ怖くて。その時のことは、今でも鮮明に覚えている。忘れてしまいたいのに、あの時の感触が、息づかいが、私の身体に染みついて離れない。思い出しただけで気分が悪い。
「なんとか振り払って逃げたんですけど、それから後ろに気配を感じることがよくあるんです」
「なるほど。ストーカーかぁ。そいつは厄介だな」
「次の日いつも通り学校に行ったら、クラスメイトにクスクス笑われて『あたしたちからのプレゼント、気に入ってくれたw?』って言われたんです。私、そういうのよく分からないんですけど、でも怖くて」
「ストーカーに遭う前に、何か変わったことはなかった?」
えっと、あの日は確か…
「写真を、撮られたかも」
「ふうん…分かった。こっちでも調べてみるよ。そういう仕事は俺に任せて!得意分野だから」
「はい。よろしくお願いします……えっと」
「ん?何かな?」
「助けて、くれるんですか…?」
期待なんて、してなかったはずなのに。
『アオハルさん』なんているわけないって諦めてたのに。存在してるって実感した途端に頼ってしまうのはどうしてだろう。
「もちろん。依頼は承りました。『アオハルさん』ってのはね、誰かを助けるために、守るためにいるんだ。それが俺らの存在理由だからね!」
その言葉はどんな慰めよりも私の心に響いた。
ただ、純粋に嬉しかった。



