私とアオハル


路上で襲われてから、どれくらい経ったのだろう。
バチバチっという音がしてからいっさい記憶はないけれど、どうやら私は拘束されているらしい。手足が動かない。

誰かいると怖いからと、うっすら目を開ける。
そして、閉じる。
目の前には談笑している4人の男がいた。4人で輪になるように地べたにどっかりと座っていて、時折ガハハと笑う声も聞こえる。

しかし、会話の内容は聞き取れそうになかった。彼らと私との間には、そこそこ距離があるからだ。どういう意図かわからないけど、その距離感のおかげで私が目を覚ましたことに気づいた人はいないみたいだ。

監禁、なのかな。これは…拉致みたいな?
にもかかわらず、私はいたって冷静だった。
慌てたって良いことはないし。まずは考えなきゃ。自分ひとりで。
どうやって逃げるか。
今ここには私しかいない。結人だって、助けに来てくれるかわからないし。そもそもここがどこなのか…私ですら知らないのに彼に分かるわけがないだろう。つまり…

誰も頼れない。