私とアオハル


何だろう…この感じ。
前とはだいぶ違うような、背後に感じる混沌とした何か。人通りも少なくなってきたし、なんか気味悪いな。家まではまだ少し距離がある。まぁでも、どうしようもないか。この通りを抜けたらそれなりに人のいる道へ出るし。

あ、そういえば今何時だろう?
スマホを開いたその時、背後にイヤなものを感じた。

…!声が出ないっ。

後ろから抱きつくような体勢で、誰かが私を押さえつけていた。

どうしよう…!?動けない。
徐々に相手の力が強くなっていく。
気づいたときには前からも2人近付いてきていた。後ろの男はぺたぺたと私の身体を触り始めた。すごく、気持ち悪い感触が残る。

「迎えに来たよ、ミオリちゃん?」

どうしよう…ホントに。周りに誰もいない…私の声じゃたぶん遠くまで届かない。出すだけ無駄かも。でも、どうしたら…っ!


……そうだ。結人なら…!

『たすけて』

そのメッセージに既読がついたその瞬間、バチバチっと音がして私の意識は途絶えた。


ちょうど午前11時のことだった。