「あんたの写真だ」

そう。

そこには、頬を紅潮させた私の写真が「ミオリ」という登録名とともにアップされていた。

でも…なんで?
怯えながらもプロフィール欄の文面をたどっていく。

《PROFILE》
この春からJKのミオリです!親とか友達とか、みんな私のこと全然わかってくれないから、こういうの始めちゃいました~気軽に会えて優しくしてくれる人ぼしゅうしてまーす!ちょっと乱暴に扱われるとドキドキしちゃう。私のコト気になっちゃったらメッセージ送ってね~




ぞわり…と。
血の気の引く感じがした。
本当になんなの…
こんなの全然知らなかった。

「このサイトを見てあんたのことを知ったんだよ。例のストーカー野郎は」

そんな…
考えただけでも恐ろしい。

「前に写真撮られたって言ってたでしょ?たぶんそれを上手いこと加工したんだろうね。いわゆる『なりすまし』ってやつだ。美織さんを偽った誰か──まぁ例のいじめっ子らだと思うけど──がそのサイトで馬鹿な男どもをたぶらかしてんだよ。で、そんな罠に嵌まった野郎がストーカーに変化(へんげ)しちまったってとこかな」

言葉が出なかった。
信じられないし、正直信じたくもない。
怖い。そんな奴が私の跡をつけてたなんて。

「私は。どうすればいいんでしょうか?そんなの…どうしようもないんじゃ…?」

サイト側に問い合わせたって、たぶん意味はないだろう。打つ手がない。

「ひとまずはストーカーの方を叩く。いじめっ子はそのあとに懲らしめるってことでいいかな?」

「は、はい」

「それで、ここからが本題なんだけどさ。これから何日かは、絶対に家を出ないでほしい」