「それじゃあ、まずは言い訳をどうぞ」

アオハルさんこと、悠希さんの真正面に座った私は、当然というべきか責められていた。

「今日、部活みたいで…無理言うのもなんかな…と思いまして」

まじか…と彼は落胆していた。

「やっぱり──にクギ刺してもらうべきだったか」

よく聞き取れなかったけど、その落ち込みぶりは想像以上だった。

「そっか。事情はちゃんと話したんだろうね?」

それは、そのぅ…

「話してません」

「はぁ?なんでよ?」

彼の眉間に少しずつシワが寄り始めた。
でも。自分で決めたことだから。

「結人には頼りません」

彼は「ふうん?」と私を見つめる。

「理由を聞こうか」

「私は、いつも周りに助けてもらってばかりで、支えられっぱなしで。でも、それじゃ駄目で。昨日言われた通り、自分でどうにかしないと、何も解決しないし何も変わらない。それに」

一番の理由は。

「結人を、巻き込みたくないんです」

「へぇ。幼なじみの彼をこれ以上近づけたくないってこと?」

「もし、結人と一緒にいるところをクラスメイトに見られたりしたら…きっとあいつらは結人を傷つけようって、そう思うはずです。私があいつらなら、たぶんそうします。だから、もう結人に──」

頼るのはやめようって、そう思ってます。
そう言おうとしたけれど、途中でぶつりと切れてしまった。

彼が、私の肩に手を回して。
身を乗り出して、ぐいっと力強く、



私の身体を引き寄せていたから。