その間も背後にへばりつくほどの気配を感じるような、単に私の気にしすぎのような、よく分からない感覚が私の神経をすり減らしていく。
「あんたが動かなくちゃ意味ないんじゃねぇの?」
さっき言われたその言葉が、いつまでも私の中に居座ろうとする。
本当に。その通りだ。
誰かに頼って、すがってばかりじゃ駄目なのに。何も変わらないのに。
今日ここに来て彼に会う前にだって、結人に相談して。話聞いてもらって、出かけるときはなんだかんだ一緒にいてくれて。
私自身は、何もしていない。
あいつらに「やめて」の一言も言えない。
私のこの気持ちを、怒りを、悲しみを、伝えようとしたことがあった?
一度でも。
一度でも、あいつらに立ち向かおうとした?
そんなわけないよね。恐怖が先立って、傷付くのが嫌なだけだ。大きな何かに歯向かうのは、やっぱり怯んでしまう。
結局、私が弱いだけ。
都合がいいからって、いつも誰かに助けてもらおうとして。甘えてるんだ、周りに。信じてもいなかった『アオハルさん』という存在が目の前に現れたとたんに、助けてくださいだなんて。いくらなんでも虫が良すぎる。
その日の夜には、私の覚悟は決まっていた。