「先輩が描いてる絵、綺麗ですね…」



「ありがとう
でも、なかなか進まなくて…」



「この風景は…
好きな人と見ました?」



かわいい顔をして
ドキっとすることを言う



「なんで?」



「そんな気がしました
先輩見てたら恋してるのかな?って
綺麗だったから…
いつも大切にその絵を描いてるから
きっと好きな人と見た景色なのかな?って
…スミマセン、余計なこと言って」


佐々野さんは
まっすぐな瞳で私に言った



そのタイミングで先生が来た


今の話を聞かれなくてよかったと思った


佐々野さんは黙って絵を描き始めた