「おまたせ」



ホントに待たせたのは私なのに
先生は少しも怒ってなかった



「気が済むまで描けた?」



先生はメガネを少しずらして
私の絵を見た



「んー、いんじゃない?
まぁ感性だからね…
さっきの方がいいと思う人だっているだろうし
オレは、こっちが好きかな…
君が納得したならいいよ」



「納得したわけじゃないけど…
今日の私の最高は、これまでです
明日も描けるなら
私はまた、この絵を描いてると思う」



「んー、気持ちわかる
オレもそぉだったな…
じゃ、これで締め切り!」



先生はそう言って美術室の戸締りをした