それは、昨日連絡先を交換したばかりの聡介からだった。



《お前、ハンバーグ作れるか?舞音が食べたいって駄々こねてて、作れるなら作りに来て欲しいんだけど》



料理は別に苦ではない。


親も共働きのため、家にいない時は咲智が料理をすることもある。


ハンバーグだって、真奈斗が小さい頃から好きだったので、よく作ってあげていた。


でも、そんな昨日初めて話した先輩の家に上がるなんて果たしていいのだろうか。



咲智は悩んだ末、《わかりました》とだけ打ち、軽く化粧をして家を出た。