咲智の帰りが遅かったため、天ぷらは明日の夕飯へとシフトチェンジをしたようだった。


匂いからして、今日の夕飯は焼肉のようだ。


「あ、ねーちゃんお帰り」



玄関で靴を脱いでいると、リビングに入って行こうとする弟の真奈斗(まなと)がこちらを見た。



「真奈斗もあそこで一緒に遊んでたのにねえ……」



真奈斗は、背もすっかり咲智より大きくなって、中学ではバレーをしようとしているらしい。



「は?気持ち悪。早くしないとご飯冷めるよ」



真奈斗は咲智に冷たい目線を送ってリビングに入った。