ああ、暑い……
でも、昨日愁、学校行くって言ってたから、頑張ろ!

「おっはよっつ!」
その声と同時に背中に渋い痛みがはしる。

「…ったぁ!もう!茜音〜痛いじゃん!」

「えへへ!ごめんごめん!」

「毎回それ〜!絶対反省してないでしょ!!」

「反省してるよ…」
急に肩を下げ、上目遣いになる。

「…ズクッズクッ」
ええええ泣いちゃった!ってそんな驚きません!!
茜音の名演技ですなこれは…

「演技うますぎ〜茜音ウケる!」

「……即バレた…次はもっと上手くなるように頑張る」

いやそういう問題じゃないから!
めちゃくちゃ上手いよ?でも察しちゃうんだよ〜あの流れで泣く人いないから

「いやまあいいや」

「そういえば!愛梨、数学の宿題やってきた?」

「ギクゥゥ やばい、やるの忘れた……」

昨日はウキウキ気分だったから忘れてた…。やばい、数学の担当の坂本、通称さかちゃんに怒られる。
さかちゃん普段は爽やかイケメンって感じなんだけど、怒るとまじで怖くて、私の中での警戒すべき先生第1位。
ああもう人生終わった。

「……茜音……助けて…さかちゃんはやばい」

「愛梨、さかちゃんのことビビってるもんね(笑)!確かにさかちゃんは、怖い。窓破れそうなくらい声張り上げて怒るよね〜」