今も思い出す。中学1年生だった私の
楽しかった日々の思い出

着慣れない制服と共に毎朝学校へ通ってたっけ.

優衣ちゃんと登校する日は毎回歌を歌いながら
歩いてたな。

 ‥そうそう、。あの時のあの空の青さは
 忘れられないよ。




  


 ‥‥‥ていうか,,青ってどんな色だっけ。


 ダメだ。今の私には色という概念が
 根こそぎ 削がれちゃってるから 

 こんなこと考えても無駄だ。 


 もう少し、もう少し先の楽しかった記憶‥、

〜 〜。

『  千代 ‼︎、  』 

ドンッッッッ!!!!!! ガッシャーーン‼︎,

 


『 大丈夫 ですか?! 声は ー‥ますか?
しっかり!  ーー‥ 母親の方はー‥?!』

ピーポー パーポー ウウウウーーーー‼︎

耳をつん裂くような救急車の音


〜 〜 

思い出したくない記憶が不意に
          私の頭の中をよぎった。 

『お父さん!、お母さん!!、』



気づけば 全身の震えが止まらず その場に
しゃがみ込んでいた。 




私は 中学2年生の春


交通事故で
両親を失った。


ひとりっ子の私には お父さんとお母さんが
唯一の家族であり 心の支えだった


桜の咲き始めた暖かい4月の初め

私は 全てを失った。



そしてその日から“色” という世界 が私の中から
跡形もなく消え去った


お医者さんは 
「事故でのショックから色覚異常になってしまったんだろう。今は心と体を休めなさい」

って言ってくれたけど 
正直 私はこのままでも良い。


あんな光景を 、 
もしまた見てしまうことがあったら。。



もう 私の中の 感覚を司る全ての器官、神経
全て なくなってしまっても構わない。



 それよりも もっと簡単なこと。 


私という存在が 

この世界から無くなってしまえば…。


あぁダメだ 。またこんなこと考えちゃう

2年経った今でも 時々思い出しては
眠れなくなる。
そして、自分が独りぼっちであることを 
痛いほど痛感する


だからたまに 
外に出て 風に吹かれてみたりしてるんだ。

風は、どこか遠くの  
私の知らない世界の匂いを運んできてくれる.
遠くの遠くの私の知らない世界から。






あの日以来 私は人と接するのを避けてきた

人と出会うのが怖い。 
友達ともあれっきり会ってない。

訪ねてきてくれる子も居たけど
会わなかった。いや、 会えなかった。


怖かった。
友達をも失ったらどうしよう

って 。

優衣とも1度も会うことなく私は
親戚のいる田舎町へと引っ越した


ここは本当に静かなところだ、

車も全く通らないような田舎町.

通るとしたらおじいちゃん達が乗る
野菜を乗せた トラックぐらい。

最初はそのトラックすらも怖かった。

けど 、今は少しだけ慣れたみたい


前までは自分でも驚くぐらい 体の震えが
止まらなかったのに 今は そうでもない



体は慣れてくれるのに、 
心はなかなか そうもいかないみたい


高校にも通わず 人とも関わらず
私はこの先 どうやって生きてけばいいんだろう

この色のない世界で。

なんて考えたりするんだ。

でも、もし生きていけなくなったとしたら
その時はその時だ。


私は誰にも知られず この世からひっそり
消えて無くなるんだろう

別に 生きることに執着なんかしてない

誰も 「生きろ」と言ってくるわけでもなければ
共に生きてくれるわけでもない