「携帯忘れちゃったので取りに戻りました。」

「……ねぇ奏ちゃん??」

そそくさと教室に入り自分の机に向かった。

自分でもどうしてこんな行動を取ったのか

分からない。なんでだろう。

自分の机にたどり着いて携帯を探す。

「ねぇ奏ちゃん、いつから廊下にいたの??」

そう聞かれた時、咄嗟に口から出た言葉は

「いや、来てからそんなに経ってないけど。」

何か言いたげの海斗君を残して

私は教室を後にした。

いつの間にか天宮先生は居なくなっていた。

関係がバレたと思ったのかな。あはは……。

ポタッ……

携帯の液晶画面に何かが零れた。

雨漏りだと思って外を見た。しかし視界がぼやけて

雨が降っているか降っていないか分からない。

その時私は、自分が泣いていることに気付いた。

なんで泣いてんの私!!!

それよりもおばあちゃんに連絡入れないと……

焦りに焦って変な日本語になってしまった。

祖母はそれに気付いたのか気付かなかったのか

わかった!!!の一言が返ってきた。

そこから私はどう帰ったかよく覚えていない。

気付いたら私の部屋のベットに寝そべっていた。

あの二人。なんなんだろう。

関係が壊れてしまえばいいのに。

私は最低だ。

いつの間にか時計は夜の10時を回っていた。

窓の外を見ると、満天の星空。

私の心とは裏腹に澄み切っている。

綺麗な星たちが奏に頑張れと言っているようだ。