久しぶりに大声を出したせいか喉が少し痛かった。

奇跡的に制服に入っていた飴の存在を思い出し

取り出そうとした。その様子を彼はじっと大人しく

見ていた。その前で一人だけ飴を舐めるなんて失礼

だと思い三つ入っていた飴のうち二つ彼にあげた。

ソーダ味とレモン味。彼にピッタリだと思って。

ソーダのように弾けていて、レモンみたいに爽やか

で。私が舐めているのはいちご味。理由は単純。

甘くて美味しくて好きだから。

「ソーダ味俺好きなんだよねっ!!!

甘くてシュワシュワで!!!」

好きな理由が似ていて少しショックだった。

このパッパラパーと思考回路が一緒なことが。

そんな私の気持ちなんて知らずに

彼は美味しそうに飴を舐める。2つ同時に。

そういう斬新な行動をするところが彼の性格だ。

とにかく飛び抜けてパッパラパーだ。

このクラスはそういう人が彼しかいない。

だからひとりぼっち仲間の私の所へ来るのだ。

お昼は違うクラスの部活の友達と

ご飯を食べているらしい。

それでもお昼休みが終わると私の所へ来る。

一人でいるのが寂しいタイプの人なのだと思う。

「皆崎さん!!!」

「…何ですか…。」

「飴、ありがとう!!!」

ニカッと笑った君の笑顔が太陽より眩しかった。

その瞬間、私の中で何かが弾けた。

心臓の音がうるさい……!!!!!!!!!

「皆崎さん具合悪いの!?!?顔真っ赤だよ!!!

保健室に行こう!!!」