ある日とうとう彼がこんなことを言い出した。

「皆崎さんまさか俺の事嫌い??」

大正解!!!……って言いたかったけど言えない。

言えたらこんなにウザ絡みされてないと思う。

……思う。きっと彼もそのうち私を空気扱いする。

「皆崎さんさ、どうしたら心を開いてくれる!?!?」

「……は??」

不意に口から間抜けな声が出てしまった。

それが意外と大きかったらしくクラスメイトが一斉

にこっちを向いた。そりゃそうだよ。

私がクラスで声を出すのは授業で指名された時ぐら

いでその他の時間は何も話さない。

ディスカッションの時間もずっと黙ったまま。

先生も呆れたのかもう何も言わなくなった。

先程からクラスメイトは私の方を向いたまま。

彼も口を開けたまま大きな目で私を見ていた。

デカい声を出したのもあったと思うけど

発した言葉が「は??」だから彼は気を悪くして

しまったのかと思ったけど

「すげぇ!!!皆崎さん声出たんだね!!!」

……失礼なやつだなお前!!!

この人は授業中寝ているのだろうか??

そりゃ私は授業中指されることなんて少ないけどさ!!

さすがに声には出なかったが顔には出たようで

「え!?!?気悪くした??ごめんね!!!」

と割と真面目に謝ってきた。しかし私にとってはど

うでもいい。別に気にしてないからだ。

「別に、気にしてないです。」と声を出した本人の私で

さえも聞き取りにくい声量で答えたら

彼はしっかり聞こえたようで

「よかった!!!安心したよ!!!」

と、大きな目を細めてた。

何が安心したんですか。って聞きたかったけど

そんな余裕私にはなかった。