弐   出会い


沖田side

昨日道端に変な格好をした女が横たわっていた苦しそうな顔をしながら



近藤さんと土方の野郎があの女の子と話をしている

あの女の子なかなか面白い

杏というのか

なかなか可愛いし

そういえば5日後、力試しの稽古じゃないか?

今年も俺かな?

楽しみだなぁ〜



杏side

土「ほらこれに着替えろ」

杏「ありがとうございます」

土「・・・お前俺のこと怖がってるだろ」

杏「い、いえ!怖くなんて」

土「そんなん顔を見ればわかる」

杏「実は少しだけ怖いです」

土「そうか、でもなお前はもうここの一員だ5日後力試しの稽古がある」

杏「なんですか?それ」

土「全隊士が力比べをする木刀で先に首につける紐を切ったら勝ちだ」

沖「僕が初優勝しますよ」

ひっこり現れた美青年、沖田さんだ

さっきから凄い後ろを隠れながらつけてきているのが見えていた

土「んなわけねーだろ」

杏「これで優勝したらみなさん信用してくれますかね?」

土「まあ、してくれるかもな」

杏「あのさっきから天井に居るの誰ですか?監視されてます?」

土沖「!?」

すたっ

目の前に降りてきた土方さんよりも少し小さい落ち着いた表情の人だ

土「い、いつから気付いていた」

杏「近藤さんの話の時から?ですかね」

沖「最初から・・・」

土「まぁいいこれから幹部たちに挨拶に行くから五分以内に着替えて出てこい」

杏「はい」

着物を着るのは簡単だ両親が昔のものが好きなこともあってしょっちゅう着ていたから

私は廊下に出て土方さんと沖田さんに案内され大広間についた

近「杏さんこっちに来なさい」

杏「はい」

そう言われて近藤さんのところに行くと


近藤さんが山南さん、沖田さん、永倉さん、斎藤さん、井上さん、藤堂さん、原田さん、
山崎さん、島田さんを紹介してくれた


他にも幹部はいるみたいだけど巡回に行っていていないとのこと

もちろん歴史、新撰組だーいすきの私は全員知っている名前だった

実際顔を見るのは初めてだしなにより男前だ

特に土方さんや沖田さんなんてモデルとか俳優できるレベルだよこれ

近「今日からここで女中をしてもらう杏さんだ仲良くしてやってくれ。」

(ざわざわ)

そりゃあそうだわな

だって新撰組は女禁制

だがしかしそんなことで諦めてたまるか 

杏「今日からお世話になります杏です。」

永「え、可愛くね?」

藤「本当本当!何歳なの?」

杏「そんな可愛くなんて歳は15歳です」

皆「え、自覚なしかよ」

杏「え?なんて・・・」

土「はぁーなんでもない、山崎夕飯の準備を杏と一緒に頼む」

山「はい。」

そんなこんなで台所へ

山「ここにはだいたい40人隊員がいるその分の量を作るから分担しないと終わらない素早く頼む」

杏「はい!山崎さん!」

山「丞でいい」

杏「わかりました!丞さん」

心なしか耳が赤いけど風邪か?

そして嵐のような作業を終えて



近「すべてのものに感謝を込めてー!頂きます。」


近藤さんの合図で目にも止まらぬ速さで食べる皆んな

私は沖田さんと土方さんに挟まれて食べるという少し変わった位置にいる

沖「杏さん俺にんじん食べない」

確か沖田さん結核で死ぬんだ

杏「だめです!ちゃんと食べないと病気になりますよ!」

沖田さんはえーとか言いながら食べてるこんな美男子が死なれてたまるか今後の日本に大きく関わるからね!

沖「杏さん俺はね姉がいるんだ病弱な姉明後日見舞いに行くんだけどおはぎが好きなんだ作ってくれないかな?」

杏「いいですよ!明後日ですね!」

お母さん元気かな?お父さんも

ちゃんと生きてるの?

私は大丈夫いつか迎えに行くから待っていて


よし!できた沖田さんに持って行こう


杏「沖田さん!おはぎ」

て、お昼寝してるのか

お見舞いに行くのは一時って言ってたからまだいいか

綺麗な横顔だなぁ

まつ毛長っ

そう思っていたら

沖「杏さーん」

まだ寝ぼけているのか沖田さんが私の手を握ってきた

杏「わわわ沖田さん沖田さん」

沖「あ、おはよう杏さん」

杏「沖田さんはなしてください〜」

沖「あーごめんごめん可愛かったもんだからさ」

杏「へ?」

沖「いいやなんでもない」

杏「そうですか?あ、おはぎできましたよ」

沖「わー!ありがとうございます!」

杏「いえいえ、気をつけて行ってきてくださいね!」

沖「よかったら一緒に行かない?」

杏「え、いいんですか?」

沖「是非」

杏「ちょっと待ってください!支度してきます!」

沖「うん」

部屋に戻ると何着かもらった着物のうち一番綺麗な着物にした