クトゥルフ「ヒトを壊す少女」

私は何がなんでも人の意見を全肯定した。
悪魔の甘いささやきのように、相手の悩みを吐き出させて丸裸にして
包み込んだ。


なんて最悪な女だろう。

私には『嫌われる勇気』がなかった。



泣いている彼に付き合って、私は次の日の朝の5時まで電話をしていた。

話に付き合いながら、私は誰にも見せることのなかった本当の自分をほんの少し見せてみた。


「クトゥルフみたいだ。すごく怖い。怖い」