屋上海月 〜オクジョウクラゲ〜




「 じゃあ行ってきまーす! 」


「 あ、あずる ちょっとお待ち! 」


「 う? 」


「 どうせ全部の店に
顔出しして来るつもりでしょ 」


オミヨさんは
そう言いながら笑って
まるで、ラジオ体操に行く子供にする様に

葉書大の紙が付いたリボンを
あずるの首へ、スルリと掛けた




「 ―― ありがとう!オミヨさん!! 」


「 って、ウチのがまだ押してないわね
何か書く物かスタンプ…
…いいや面倒臭い、これで我慢しときな 」


白い用紙に付けられたのは
真っ赤なキスマーク


「 全部押して貰ったら
帰る前に、皆でここに寄りなさいよ

プレゼントが用意してあるから 」


「 ―― はい!! 」