屋上海月 〜オクジョウクラゲ〜




「 それから急に
あずるが来なくなって…

水谷が何か、ヤバイ事でもやらかして
二人で何処かに跳んだかなあとか
店の皆とも話してたのよね


それから暫くして…
何があったかと思うくらい
痩せぎすになったあの子と貴方に会った

ねえ、あれって何だったの?
保護したとは言ってたけど… 」



「 ―― 家を出て
俺が出会ったのは横濱です」


「 横濱ぁ?!

…ああ、母親と住んでたアパートが
横濱にあるとか言って
たまに様子見に帰ったりしてたわね
帰って来やしないって
散々言ってたんだけど…


家出の理由は?聞いてる? 」


「 ―― いえ 」


「 あ、知ってんのね
ならいいや
そんな事までは話さなくてよろし

さあ!だいぶ話が進んで来たわ
そして―――
あんな事があったわけよね…




アタシが知ったのは、かなり最近だけど
でも正直、あまり驚かなかった

そんな星の元に生まれた奴よね
そう思ったし…


むしろアタシ的には
ノッポさんと続いてるって聞いた時の方が
よっぽど腰抜かしたわよ


あら、笑い事じゃないわよ?!
あの子が真っ当な男と付き合うなんて
全然予想してなかったんだから!!


… ねえ、リュウジくん 」




「 はい 」


「 どんな理由にしろ
あの子は大怪我をした…

でも、その責任感で
あの子と一緒にいるわけじゃないよね?


… だったらアタシは…今のうちに
水谷の元へ帰した方がいいと思うのよ 」


「 ――― 何故ですか 」