日曜


朝の空気の静けさと
そっと腕から抜け出す気配で起きた



「 …おはよ 青山さん 」


「 おはよう 」


灰谷は夜通し、PCに向かっていたようで

外側だけラジオの形をした
手製の奇妙な箱のランプも
今の所、何の反応も無いらしい


梅川さんは、急ごしらえの
マットレスで作ったベットで睡眠中




「 灰谷、交代しよう 」


「 …平気
貴方が眠る前、少し寝かせて貰ったし 」




ドアを開くと
昨日までの薄曇りが晴れて、高い青空


冷蔵庫を開いた




「 ――― 灰谷、今日は日曜だよな」


「 … そうだけど 」


「 あずる 」




屋上


空を仰いでいた後ろ姿

声をかけると
緩くなびいていた髪を後に
柔らかい笑顔が、俺に振り向いた


「 冷蔵庫が空だ
買い出しに行こう 」


「 ――― うん!!」




あずるは、着替えを持って洗面所へ



「 … 青山さ…
外行くって、貴方は何考えて―― 」


「 相手も判らないのにずっと閉じこもって
勝手に兵糧攻め食らう気か? 」


「 そんなのは、宅配でも何でも…! 」


「 …向こうはここまで入れたんだ
何処に居ても同じだろ 」



「 ―――… そ

…それは…
… そうかも、しれないけど… 」