「 おかえりー!トオヤ!」




九時過ぎ、灰谷帰宅



「 …ただいま

――― あれ、梅川先生だ 」


「 こんばんは!遠矢くん 」


「 …こんばんは
メールしょっちゅうしてるから
久しぶりの気がしないけど 」


「 わはは
学校の様子はどう? 」




二人は、あずるを介して知り合った

今の学校を受ける前も相談をしたり
歳は離れているが、先輩と後輩の間柄だ




「 …うん
大変だけど、面白い

あ、アズ これありがとう
すごく美味しかった 」


「 よかったあ!
あのね、今日の夕飯は秋刀魚だよー!」


「 …七輪出てたけど 」


「 うん!これから焼くね! 」




「 …梅川さんもしかして
青山さんに、あの事話したの 」




あずるが台所に立った途端

灰谷の、狼の様にきつい視線が
真っ直ぐに 梅川先生へと向けられる




「 うん 話したよ 」


「 ―― 知ってたのか 」




「 …アズ!
酒飲みながら、外で焼く 」


「 じゃあビールとコップ、用意するね!」


「 あずるちゃん
少し、熱燗も欲しいな 」


「 どうやるの?」


「 日本酒あったよね 」


「 うん!」