「 … 高校までってさ

学校と家
外に向かう奴はゲーセン辺り
内に向かう奴は、PCが世界の全てで
それが全ての価値観なんだよ


だから周りも咎めない
似たような人間しかいないんだ

――― 出来た 」




「 … なんだ? 」


「 ただのスクリプト

… アズのコラ目当てで来た奴
トラップに嵌めて、そいつのPCブッ壊す 」


「 やめとけ 」


「 … 貴方、嫌じゃないの? 」



「 トオヤ 」


「 …アズ 」


灰谷は急いで、PCを閉じた




「 平気だから 」

「 …俺が嫌だ 」




「 見せるお仕事してるんだから
慣れはしないけど覚悟はしてるし

―――… それにね…? 」


「 … なに 」




「 画面の中の『Azurite』はどーぞ!
でも"あずる"を好きにしていいのはー
青山竜治、だけですから!

―― うわリュウジ!タバコ落とした! 」


「 あ 」




腰に手をあてて
自慢げに宣言するあずる


俺は煙草を落とし、灰谷は爆笑する


慌てて床を探ると、頭の上から
"パンが焼けました。"の声




「 パン焼けたよ! 」


「 あずる、鍋掴み頼む 」


「 はいっ!!」




「 … 青山さん 」


「 ん?」


「 …俺にやらせて
焼きたて、見た事ないんだ 」


「 湯気 気をつけろよ 」


「 …うん 」