「 リュウジー!たーすけてー! 」
「 ―― どうした?!」
「 カボチャが硬いの… 」
「 貸せ 」
七時前に帰宅
パン生地は窯の中
「 ありがとう!」
「 これは? 」
「 パイ生地
シチュー、器に入れたら
上から蓋して、オーブンで焼くよ 」
「 こっちは? 」
「 鳥肉 」
「 ―― お前
肉食える様になったのか 」
「 やっぱりにがて
でも、二人とも食べるでしょう? 」
「 … 無理するなよ?」
「 皆の健康だよー
竜田揚げにする 好き? 」
「 うん 好物
――― ありがとな 」
あずるはにこりと笑って
鍋の中にカボチャを入れる
台所も狭いので
邪魔にならないよう
早々にベットへ退散
「 … 俺、空気読めてないよね 」
ノートPCに、顔を向けて
キーボードを弄っていた灰谷が
唐突に、そんな事を呟いた
「 空気?
灰谷、煙草取ってくれ 」
「 …邪魔でしょって事 」
「 ――― 邪魔なら
最初から追い出してる 」
「 はは 」
灰谷は、喉を反らして笑う
「 … 俺
貴方達の子供に生まれたかったな 」


