屋上海月 〜オクジョウクラゲ〜





「 …楽しいのかな 」


何となく
口をついた言葉




「 … 違うよ!

みんな、淋しいから…

食べる事と、えっちしか
気持ちいい事、まだ知らないから…


私だってハルト…
…タカオやオミヨさんいなかったら…

… ナンパして来た男の人達
面白がって、騙して…

ご飯だけおごらせて逃げるとか
ずっと続けてたと思うし…」


「 … オミヨさん
ああ、Jemuの上に住んでた人か 」


「 …うん  あ 」



突然 ―――

あずるがまた今朝の様に
辺りを慌てて見回し始めた




『こんにちは。午後のニュースです。
未明殺害された、ダンサーYO-RU
さんは、長男に刺され死亡したと
さんは、日常的に息子を虐待しており…』




チャンネルが変わった
そして気付く




「 …あずる
もしかしてお前、今朝も――… 」

このニュースを
俺に見せないようにしたのか…?




「 あんまり…
見たくないかなって思って… 」






――… 何故知ってる…?


俺は昔の事を、誰にも言った事はない
梅川さんにすら ―――




「 ―― お買い物いこ?リュウジ!
リュウジの好きなもの
たーっくさん作るよ?! 」