屋上海月 〜オクジョウクラゲ〜





つめたく冷えて 閉じられた窓


屋上からは、皆の笑い声が聞こえる




「 それと、拳銃な

ありゃあ…相当ないわくつきでさ
警察が"隠す為"に
死に物狂いで探してたシロモンだ


梅川の奴は知らず
自分を陥れた奴のタマあ盗る為だけに
ずっと懐に、隠し持ってた様だがよ


けどさ 安心しな
俺がきちんと、始末つけてやる 」



「 ―― 竹田さんの身は… 」




「 平気だよ
蛇の道はヘビって言ってな?

… こっちもトーシローじゃねえんだ
前にも言ったろ?任せておけ 」




「 しかし竹田さんは事件の後
未成年だった俺の身元を
引き受けてくれました


―― 竹田さんの思う通り
俺が佐伯を殺したと…
疑いがかかっているのなら 」


「 おいおい、ちょっと待て!
一体、何の話だ?


誰に聞いたかしらねえが
お前さんらには衆人監視の中
舞台に居たって言う
立派なアリバイがある


――― 第一 ありゃあ事故だ




一番怪しまれてた
死体に咲いてた青い花は
パレードの催し事で
沢山の風船で飛ばされた種


懸賞金が出た途端


顔に被って見栄えが悪いってんで
テメエで看板剥ぎ取って


歌いながら
縄に絡まって吊られて行ったのを
目撃した奴らがうようよ出て来た


全員が全員『誰かが通報するだろう』と
その場を立ち去ったらしいがな 」




「 ――… 」



「 …俺の腕はさ、おイタが過ぎて
若い頃、天のカミサマに一本
取り上げられちまったけどよ

青ちゃんの手は違う
いい曲作るし、優しい手だ…



――― 外

ずっと待ってる子ら連れて
そろそろ、上にあがんな 」