持っていた物を、まな板の上へ置き
手を洗って あずるの元へ向かう
そしてそのまま、次の言葉を待った
「 … むかし
たまり場にいた時
そこにへんな男の人、来たことあった
あれはその時
ハルトが取り上げた銃
――― ハルト、拳銃きらいで
だから皆で逃げる時
あんなの、置いて来たはずなのに
ハルト…おかしくなった頃
家の床に、隠してあったの見つけた…
だから
私はそばにいたら ダメなんだって
――― ずっと、ずっと遠くへ行かなきゃ
こんなもの 捨てに行かなきゃって…
だからリュウジに…初めて会った時
私、あれを…持ってたの…
… 黙ってて…ごめんなさい 」
ベッドの縁に座る


